新春小噺《人生》三題

あけましておめでとうございます。

 

新春小噺《人生》その1[へ理屈]

親の言うことを聞かずに口答えばかりする子供が、

「へ理屈ばかりこねるな!」

と怒られると、

「へ理屈と理屈と、どう違うの?」

「へ理屈と理屈?…… 理屈はな、相手が、ふーんとか、ほうとか感心する」

「へ理屈は?」

「相手が馬鹿にしたように、へーと言うのがへ理屈じゃ。わかったか!」

「へー」

 

新春小噺《人生》その2[浮き沈み]

その子供が大人になって、会社の同僚から忠告されます。

「へ理屈ばかりこねているから、お前は会社で浮いているんだぞ」

「いや、だから俺は会社で沈んでいるんだ」

 

新春小噺その3《大人》

それから10年後の中学の同窓会で、

「いやあ、昔と変わらず、お前はいつまでも若いな」

「会社でもよく言われるよ。もっと大人になれって」

 

新春でなくてもいい小噺でした……

 

それでは、《新春なぞかけ》を一つ。

新年会とかけて、

「動物園と解く」

その心は、

「トラもいます」

 

[忘年会]でも使えます。