仏陀、アインシュタインからイチロー選手まで、著名な人の言葉を集めた本が、数年前から書店に数多く並んでいます。
それだけ、そうした言葉を求める人がたくさん存在するということでしょう。
もちろん、人生の指針となる[座右の銘]を堅持されている方は、昔から少なくありません。
現代社会に生きる人々が求めるものも、そうした指針となる言葉だと思いますが、果たしてそれだけでしょうか?
店頭に並んでいる本をいくつか開いてみると、[癒し]が求められているのではないかと感じます。
ただ、そんな本でも、
『三十六計逃げるにしかず』
『明日でいいことは今日するな』
『空気を読めない者は大物になる……かもしれない』
なんていう言葉や、堺正章さんのヒット曲《さらば恋人》(北山修さん作詞 筒美恭平さん作曲)の、
『悪いのは僕の方さ。君じゃない〜』
という歌詞を変えた、
『悪いのは君の方さ。僕じゃない〜』
なんて言葉が記された書物はありません。
[癒しの言葉]ではなく、[卑しい言葉]になってしまうからでしょうか……