ヒットの狙いうち

《妖怪ウオッチ》のテーマソング。

「ゲラゲラポーゲラゲラポー〜」《ゲラゲラポーの歌》(歌はキング・クリーム・ソーダさん。作詞はmotsuさん。作曲は菊谷知樹さん)

不思議なフレーズで、その意味について、諸説、飛び交っているようですが、それを詮索する大人が、これをヒットさせたわけではありません。

大ヒットさせたのは、ただ面白がった子供です。

 

『子供騙し』

という言葉がありますが、その発想は馬鹿にできません。

今もテレビ放送が続いている《チビまるこちゃん》の主題歌《おどるポンポコリン》(歌はB.B.クイーンズさん。作詞は原作者のさくらももこさんと亜蘭知子さん。作曲は織田哲朗さん)は、変わることなく、

「タッタタラリラピーヒャラピーヒャラパッパパラパー〜」

です。

 

大人は、お経の意味を理解しようとしますが、子供はそんなことを考えもしないで、

マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤンヤン」(横山光輝さんの『魔法使いサリー』。テレビ版の歌はスリーグレイスさん。作詞は山本清さん。作曲は小林亜星さん)

テクマクマヤコンテクマクマヤコン」(赤塚不二夫さんの『ひみつのアッコちゃん』。歌は岡田恭子さん。作詞は井上ひさしさんと山元護久さん。作曲は小林亜星さん)

と、歌を歌い、呪文を唱えます。

これら、無意味な音の羅列は、ヒット曲を生み出す秘法の呪文でもあるかと思います。

おそらく、ヒットメーカーだった作詞家、阿久悠さんも、それを心得ていらっしゃった……、いえ、御自身も純粋に楽しんでいらっしゃったのでしょう。

「うららうららうららで〜」(歌はもちろん山本リンダさん。作曲は都倉俊一さん)

見事なヒットの“狙いうち”です。