予定調和の壊し方

作家の多くは、最初に構想を練って、ある程度、結末を想定してから筆を執るようですが、《鬼平犯科帳》や《剣客商売》の作者、池波正太郎さんは、構想を練ることもなく、おもむろに書き始めて作品を完成させることが、稀にあったそうです。

 

千と千尋》や《もののけ姫》など、ヒット作を世に出し続けるスタジオジブリのモットーは、予定調和を壊すこと、だそうです。

ですから、どういう結末になるか、制作者にも出来上がるまでわからないそうです。

 

以前、若手の漫才師を数組集めて、その面白さを競うというシリーズ企画に携わったことがあります。

信じられないことですが、そのほとんどは、その場で、即興のやりとりで、あるいは直前になってどうするかという簡単な打ち合わせだけして、舞台に立っていました。

毎回、観客から高い支持を得ていたのは、もちろん、ネタを事前に作り込み、練習を重ねて臨んだコンビでした。

 

予定調和を壊して観客を笑わせるのが漫才師ですが、予定調和を壊す予定を立てる訓練を若いうちにしておかないと、ベテラン漫才師のように、即興で予定調和を壊す漫才はできないのではないかと思います。

 

本日のこのブログも、池波正太郎さんよろしく、最初に構想を練ることなく書き始めましたが、どうやらいつもと同じパターン……読者の皆さんの予想通りの自虐オチになっってしまいそうです。

……いや、なってしまいました。