とっておきの言葉

たとえば、

「就職しても長続きしない自分を何とかしたい……」

という相談に、どう答えたらいいのでしょうか?

「そんなことでどうするんだ。人間、こつこつ働くことが大事なんだぞ」

と叱責するか、

「仕事をすれば嫌なこともあるが、それですぐに投げ出してはいけない。続けていればいいこともある」

と説教するか、

「どうしてそうなるの?」

訳を尋ねるか、

「そうか、続かないのか」

相手の言葉を投げ返すか……

自分が相談する立場なら、どう対応してもらうのがいいか、という点を考えると、少なくともしてはいけない対応はわかるのではないかと思います。

 

たとえば、職場で誰かにコピーを頼むときに、

「これをコピーしろ」

「これをコピーしてください」

「これをコピーしてくれませんか」

「これをコピーしてもらうと助かります」

もちろん、相互の関係にもよりますが、こうした一言一言の積み重ねが、その職場での人間関係に影響を及ぼすことは、言うまでもありません。

 

何かをしてもらったときには、

「ありがとう」

「ありがとうございます」

「助かりました。ありがとうございました」

「あなたのおかげで、本当に助かりました。ありがとうございます」

「あなたがいてくださって本当によかった。私は運がいい。ありがとうございます」

「ああ、生きててよかった。本当にありがとう」

 

バレンタインのチョコレートをプレゼントされたときには、

「ありがとう」

「ありがとう。とってもうれしい」

「ああ、生きててよかった。本当にありがとう」

 

今日も……、いえ、今年も、用意していたとっておきの感謝の言葉を使うことができませんでした……