漫画をヒットさせるためには、キャラクター、テーマ、ストーリーの三つが揃っていなければならない、と聞いています。
でも、私が知っているぐらいですから、世の中にごまんと存在する漫画家や編集者が、それくらい知らずに漫画を作成しているわけはありません。
にもかかわらず、アニメ化、映画化される大ヒット作品がある一方、そうでない作品も、ごまんとあります。
その違いは、どこにあるのでしょうか?
《事実は小説より奇なり》
とはよく言ったもので、ヒット作品のポイントの一つは、意外性ではないかと思います。
それは、主人公が勝つことが読者には分かっているにもかかわらず、あっと思わせる発想で物語を進行させることであり、そのキャラクターにそんな一面、そんなことができるのか、という意外性です。
そうした中に、読者の琴線に触れるエピソードが挿入される……
それらが、読者の心を掴むんで離さないのでしょう。
そんなエピソードから想起される思い出が、実は、誰にでもあるのではないかと思います。
そうでなければ、読んで心が動かされることなどありません。
《人は誰でも一冊の本が書ける》
とも言われます。
その人の人生の、そうしたエピソードが、小説の題材になるからです。
だとしたら、アニメのように、小説のように、
『ちょっとした工夫次第で、誰でも、困難に打ち克つ人生を送ることができる』
ということが、誰の人生にも言えるのではないかと思います。
いくつかのアニメに触れるたびに、そんなことを思います。
(念のために申し上げておきますが、私は決して、怪しいアニメオタクではありません。だからと言って、正しいアニメオタクかと問われると……)