近大マグロからわかったこと……

30年以上の年月をかけて、マグロの養殖、販売に成功したのが、近畿大学の〈近大マグロ〉です。

マグロの養殖は不可能だと言われていた時代に研究に取り組み始めたわけですが、成果の見えない研究に莫大な費用がかかりますから、中止を求める声も大学内にはあったようです。

こうしたことは、不可能に挑戦する者が、必ず直面することになりますが、そこをどう辛抱するか、というところが、成功への鍵になります。

 

いわゆる昭和歌謡には、男の夢を長く支えながら、結局、辛抱できずに去っていく女性の心を歌った曲がありました。

平成になって、それほど多くの歌を耳にしているわけではありませんが、そうした歌はなくなったのではないかと思います。

 

女性が強くなったからなのか、男が弱くなったからなのか、疑問に思っていましたが、近大マグロの人気が鰻登りに上がっていることから、わかりました。

男の夢を支えるために働いて帰宅すると、すっかり夢をあきらめて家の中でごろっとマグロ化した男の姿に、別れを決意していたのが昭和の女性でしたが、平成になって、女性をわくわくさせる夢を描く男が少なくなったせいではないかと思います。

 

つまり、マグロの養殖ができなくなったからではないかと……