道は間違うべし

『僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる』

高村光太郎氏の詩、《道程》での冒頭です。

 

イレギュラーで入った仕事の下見に行きました。

ところが、駅からだいたいの見当をつけただけで歩いたために、道を間違えてしまいました。

途中でおかしいと思い、目についたコンビニエンスストアに入って道筋を確かめ、何とか目的地にたどりつことができましたが、この激しい雨で傘もたいして役に立たず、ずぶ濡れになってしまいました。

 

道を間違えた自分に呆れるやら情けないやら、すっかり落ち込んでしまいました。でも、

「すでに人生を間違えているんだから、今更道を間違えるぐらい……」

人生を引き返すことは難しい……しかし、道に迷ってもそれに気づけば、今日のように引き返すことができる。

そう思えば、気持ちを切り替えることができます。

それに、人生を間違えて引き返せなかっとしても、そこから逆に新しい道を見つけることも可能です。

 

近代の科学的な発明や発見は、間違ってしまった結果から生まれたものも少なくありません。

 

かの高村光太郎氏も、その詩、《道程》も同じです。

新たな道を切り開く……

『僕の前に道はない 僕の後ろは崖っぷち……』

 

やっぱり私は間違っているようです。