「選択肢は、もうこれしかない。二つに一つだ」
本当にそうでしょうか?
失恋すると、選択肢は無数に広がります。
仕事を辞めると、選択肢は無数に広がります。
家にこだわらないと、選択肢は無数に広がります。
世間体を気にしなくなると、選択肢は無数に広がります。
何の選択肢かと言うと、人生の選択肢です。
学校のテストなら、示された選択肢の中に必ず正解があります。
でも、
「最終的に、正解はこの二つのうちのどっちか……イかエか……」
という経験ばかりしてきた人には、他の選択肢を自分で見つけることは難しいかもしれません。
たとえば、
「子育てに口出しする姑に困っています。どうすればいいでしょうか?」
選択肢は、
ア・口出ししないように夫から姑に言ってもらう。
イ・実家に帰る。
ウ・姑と戦い続ける。
という三つだけではありません。
エ・っせっっかくだから、子供は姑に任せて自分は好きなことをする。
オ・姑に何か趣味を持たせて孫から目をそらせる。
その他、タブーを作らずに選択肢を考えると楽しくなります。
考える選択肢の数なんかも、たとえば、30とか50とか、それは無理かも……というぐらいに決めて考えると、もっと楽しくなります。
カ・姑をゲートボールクラブに入れて孫から目をそらせる。
キ・姑に新しい恋人(愛人)を作らせて孫から目をそらせる。
ク・姑が来そうな時間に自分の母親に来てもらう。
ケ・姑が来そうな時間に自分の友達に来てもらう。
コ・姑が来そうな時間に自分の恋人に来てもらう……
新たな選択肢が、また別の人生を開く選択肢になるかもしれないと思うと、愉しくなって……
「ピンポーン」
「あら、早かったのね。お姑さん、まだ来てないけど……、でも、あなたのこと、何て紹介したらいいかしら……」
サ・夢想して現実から逃避する。