日本の和・世界の和

『和を以て貴しとなす』

これは、日本を象徴する言葉だと思われているようですが、はたして日本は本当にその通りの国なのでしょうか。

 

アメリカの宇宙飛行士に日本人が何人も選ばれていますが、選ばれているのは日本人ばかりではありません。

世界中から、つまり異なった文化の中で生きている人々の中からも、宇宙飛行士は選ばれています。

なにしろ、狭い宇宙船内で数ヶ月間、生活もともにするわけですから、人間関係の悪化は、全員の死を呼び込むことになるかもしれません。

ですから、宇宙飛行士に選ばれるのは、異文化を受け入れ、相互に他者を尊重し合える人材でなければなりません。

 

小惑星探査機《ハヤブサ》に象徴されるように、日本のロケット技術も優れています。

ただ、日本人ばかりが搭乗するロケットを飛ばしたとしたら、どうなるでしょうか。

 

「エンジンの調子がよくないようだけど、少し様子を見ようと思うんだ」

「様子を見るって、キャプテンには報告したのか」

「いや、機嫌の悪そうなキャプテンの様子を少し見ようと思っているんだ」

 

『和を以て貴しとなす』

聖徳太子の真意を理解して実践している日本人は、はたしてどれほどいらっしゃるのでしょうか……