暴論・仮面ライダーから見える現代社会

映画《仮面ライダー3号》では、ショッカーが世界を征服したことになっているそうです。

私が〈ショッカーオタク〉だから申し上げるのでは決してありませんが、これは、素晴らしいことだと思います。なにしろ世界が一つになったわけですから……

しかし、仮面ライダーが世界を征服したショッカーを倒すということは、一つになった世界を再び分断するということになるかと思います。

元々、ショッカーは世界征服を目的としていた組織ですから、仮面ライダーがショッカーを倒して守る正義というのは、紛争の絶えない今の世界情勢を守るということです。もしそうだとしたら、仮面ライダーがやっていることは、世界を平和にすることではありません。

ところが、問題は、仮面ライダーがそうした認識を持っているかどうかという点にあります。

自分のやっていることを省みることなく、ただ、正義を守っているのだと、まったく疑うことすらしないのだとしたら、人類にとって、仮面ライダーは非常に危険な存在だと言えます。

 

世間にはそんな人が、つまり、自分のやっていることを省みることもせずに、正しいと思い込んでいる人が少なくないのではないかと、実は密かに思っていますが、これを馬鹿げた噴飯論として片付けられないのは、〈ショッカーオタク〉の私だけではないと、これも密かに思っています。

 

ということで、皆さんの身近にいるそういう人を、

「あの人は仮面ライダーだ」

と呼ぶことにしたいところですが、そんなことをすると、その人はますます仮面ライダー化……いえ、仮面ライダーとしてどんどんパワーアップしてしまいます。

でも、そんな仮面ライダーを恐れる私は、〈ショッカーオタク〉失格かもしれません。