「みんなに元気を与えられる人になりたい」
「みんなを笑顔にしたい」
そんなことを口にする人がいらっしゃいますが、誰かに元気を与えられる人とは、どんな人でしょうか。
歌手やスポーツ選手など、著名人の言葉や活動に、元気をもらったとおっしゃる方は少なくありません。
でも、元気を出したのは、自分自身です。
著名人の言葉や活動によって、何かに気づくのは自分です。
ですから、
「さあ、元気を出して!」
「笑って笑って!」
と言われて、簡単に元気を出せる人はいません。
むしろ、そう言ってくれる人に気を使って笑顔を見せた経験をお持ちの方は、案外たくさんいらっしゃるのではないかと思います。
ちょうど、ボランティア活動に訪れた人たちにお世話をしてもらって、その人たちを気持ちよく帰す老人ホームのおじいさんやおばあさんのように……
歌手やスポーツ選手は、自分がやるべき本来の仕事をしているだけです。
その姿や言葉に接した人の心の中から、自然に力が湧いてくるだけです。
それが分かっている人は、おそらく、自分が誰かを元気にしたい、などとおこがましいことを口にすることはないと思います。
だから、自分がやるべき本来の仕事をしているだけの人は、
「あなたのおかげで元気になれました」
と言われると、意外な感もあってうれしくなるのではないかと思います。
そうだとしたら、
「みんなに元気を与えられる人になりたい」
「みんなを笑顔にしたい」
と口にする人は、そのうれしさを自分が感じたい、と願っている人ではないかと思います。
私は、誰かを元気にしたいなどと、決して口にしません。
誰か、私を元気にしてくれる人はいないかと思っていますから……