相撲小噺七話

「関取は、夜空ばかり気にしていますね」

「ええ、星が気になっていますから……」

 

「関取は、あきらめるのが早いようですね」

「ええ、投げるのが得意ですから……」

 

「関取は、親方に注意されても、言うことを聞かない力士だそうですね」

「ええ、突っ張るのが得意ですから……」

 

「関取は、ちゃんこを食べないそうですけど、他に好きな食べ物でもあるんですか?」

「ええ、刺身(差し身)がうまいものですから……」

 

「どんなに危ない場面でも、関取は落ちついていますね」

「ええ、わしには、すくいがありますから……」

 

「関取は、体中に膏薬を貼っていますね」

「ええ、相撲取りは、始終貼って(四十八手)と言いますから……」

 

「でも、関取の膏薬はすぐにはがれますね」

「政府の公約ほどではありませんが……」