《見上げた誰かが背筋を伸ばしたことさえ知らずに、旗は風に身を委ねている》
たとえば、応援団が掲げる大きな旗には、選手はもちろん、そこに集まって声援を送る大勢の人に注目される存在です。
でも、毎日掲げられる、たとえば校旗や社旗を見上げる人はどれほどいらっしゃるでしょうか。
たとえ誰かに見られることがなくても、旗は旗として在り続けています。
あるいは、旗を見上げて人生の矜持を取り戻した誰かがいたことを知らされなくとも、旗は旗として在り続けています。
そんな旗のように生きたい、と思いながら、右手に白い旗、左手に赤い旗を持たされて、誰かの発する、
「白挙げて、赤挙げないで、白下げない……」
そんな号令に戸惑いながら人生を送っているような気がします……