諦めきれない諦念

『成功するまで諦めなければ失敗はない』

てなことを口にされる方がいらっしゃいますが、諦念、諦めることは非常に重要なことではないかと思います。

成功するまで諦めずに何かをやり続けていられるということは、他の何かを諦めているということですし、また、何度やってもうまくいかないときに一度諦めると、それまで見えなかった何かが見えてくるということもあります。

ですから、諦めたことで、それまでうまくいかなっか人生が開けるということもあるかと思います。

 

実際、先日、年配の方とお話しておりましたことろ、

「若い時分には、理想やら希望やら、まあ、損得を考えながら生きていたけれど、うまくいった試しは、あんまりなかったなあ……ところが、この歳になって、そんなことはもう諦めようと思ったとたん、人生がうまく回り始めてね、つまりは無欲になって、ギラギラしたものがすっかりなくなったんだろうね。なんだか人生って、面白いなあ……なんて、最近、思ってね」

ということをおっしゃいましたので、

「だったら、私も一度、人生を諦めます……」

と応じますと、

「一度、諦めるということは、うまくいかなかったら、何度でも諦めるということか、諦めずに……」