子供が不祥事を起こして、警察のご厄介になったり学校から処分を受けたりしたときに、子供をかばう親が増えているのではないかと感じています。
「うちの子はそんな子じゃ、ありません」
から始まって、
「処分の理由と基準を明示しろ」
と自分の子供の非を棚に上げながら、その一方で子供には、
「信じているからね」
とか、
「何とかするから大丈夫……」
などと、いかにも子供の味方であることを強調するような言動を見せるようですが、それは、実は、自分の子育ての失敗を隠蔽する行為ではないかと私は疑っています。
そうでなければ、世間体を慮っているだけかもしれません。
いずれにせよ、子供のためではない行いになるわけですが、案外、子供はそれを見抜いています。でも、自分たちの行為がどういうことかということにすら、そうした親たちは気づいていないかもしれません。
ですから、自分たちの子育てが失敗しているから子供が不祥事を起こしているということをいつまでも認めないと、事態はもっとひどくなるのではないかと思います。
昔、青少年の非行や家庭内暴力などが報道されるたびに、
「どうしてこうなるんだろうね……」
と嘆くお袋に、
「子供の非行や家庭内暴力は、その親が子供をどう育てたかという結果だよ」
と、持論を述べたところ、お袋は、非常に複雑な表情を見せながら、無言のまま、じっと私を見つめていました……