〈塞翁が馬〉と知りつつ宝くじ

新聞に掲載される宝くじの当選番号欄に、

「当選番号は事前にわかりません」

という、注意書きが記されるようになりました。

これは、

「事前に宝くじの当選番号を教えるから……」

と持ちかけてお金をだまし取る詐欺が少なくないからでしょう。

 

週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)に連載されている〈難波金融伝〉(原作・天王寺大さん 作画・郷力也さん)でも、宝くじの当選番号を事前に教える詐欺が取り上げられていました。

それを読んで、こんな詐欺に引っかかる奴なんているはずはないだろうと思っていましたが、新聞にわざわざ注意書きがあるということは、実際に詐欺被害に遭っている人がいるということでしょう。

 

これは、

「自分だけに幸運が訪れる」

と、夢を見る人がいるということを示しているわけですが、世の中、そんなに甘くはありません。

でも、同様に考えるなら、

「自分だけに不幸が訪れる」

ということも成り立たないことになるのではないかと思います。

 

人間万事塞翁が馬

『禍福は糾える縄の如し』

柳葉さんと妻夫木さんのロト7のコマーシャルは、まさにその言葉を象徴するドラマになっています。

 

それがわかっていながら、

「そろそろオレにも幸運が訪れるはずだ……」

と、キャリーオーバーのロト7をいつもより多く買ってしまっている私は、つつがなく毎日を過ごせている今の自分が、実はすでに幸運であることに気がついていないだけかもしれません。

もしそうだとすると、宝くじが当たると……

いや、そんなはずはない。

今が幸運だなんて、意地でも気づいてやるもんか……