実は、大昔、身の程知らずにも、
「『直木賞』を取るぞ!」
と意気込んでいた時期がありました。
そう思うなら、過去の入選作品を片っ端から読めばよさそうなものですが、独善に満ちたプライドが邪魔をして、過去の入選作品を読んで研究することなく、新人賞に応募なんぞしては、中途半端に予選通過なんてするもんですから、すっかり勘違いしてしまっていたという……
そんな勘違いしたまんまのアタクシでございますから、今回の芥川賞発表についても、
「芥川賞も落ちたもんだ……」
てなことを、密かに思っていました。
古館さんの芥川賞の関わる発言が物議を醸しているようですが、どうにも他人事とは思えず、きっと古館さんも自分と同じ人種じゃないかと無礼千万なことを考えながら、かといって積極的に擁護することもできないのは、アタクシだけではないように思っておりますが……(え? お前だけだって……)
「なあに、オレの目標は直木賞だからな……本屋大賞でもいいんだけど……とにかく、まずはどこでもいから、新人賞を獲らなくちゃ……それには書かないと……でも、去年、一次予選も通らなかったし……」