日暮熟睡男はなぜ爆睡しないのか?

通称『こち亀』。

集英社の少年ジャンプに長く掲載されている『こちら亀有公園前派出所』(作・秋本治さん)には、四年に一度、夏のオリンピックが開催されるときにだけ眠りから覚める日暮熟睡男というキャラクターが登場します。

 

四年に一度しか目覚めないので、眠っている間に世の中が変わってしまっていることに気がつきません。

寝る前にはなかった消費税に怒ったり、アイドルがすっかり変わっていることにショックを受けたり……

 

そこが面白いところですが、なによりすばらしいのは、彼の名前です。

日暮熟睡男

今時、〈熟睡〉なんて言葉は使われません。

皆さん、〈爆睡〉です。

〈爆睡〉では、おちおち寝ていられないのではないかと、耳にする度に思っています。

 

同様に、〈まとめ買い〉なんて言いません。

〈爆買い〉です。

スーパーとか百貨店に行って周囲で〈爆買い〉なんてされた日には、落ちついて買い物なんてできません。

 

そのうち、〈大食〉漢を〈爆食〉漢……危なくて一緒に食事なんてできません。

〈激動〉の時代も〈爆動〉の時代……命がけでその時代を生きなければなりません。

他には、〈爆入〉〈爆出〉〈爆聞〉〈爆見〉〈爆建〉〈爆金〉〈爆女〉……

 

このままでは〈爆続〉してしまいます! 誰か止めてくださ〜い!