水の言葉

『上善水の如し』

とは、水のように自然に任せる生き方を善しとする人間の在り方を示唆する言葉です。

 

『水は低きに流れ、人は易きにつく』

というのは、放置しておくと安易な方向に流されてしまう、という人間の性質を表しています。

 

成人の人体の60%は水だそうですから、水のように生きてしまうのは、人間として自然ですが、この二つの言葉を合わせて考えると、

〈自然の水のように、流されるままに安易な方向に向かうのが、人間の善なる生き方である〉

ということになるのではないかと思ってしまいますが、さて、どうでしょうか……

 

野菜や果物も、水なくしては存在できませんが、野菜や果物の中に吸収された水分を絞ってみると、それぞれ味の違う水が出てきます。

いわゆる野菜ジュース、果物ジュースと言われるものです。

同様に、人間を絞ると、それぞれ独特のジュースが出てくるのではないかと思います。

 

ある人は、上善の如き上質の果汁を、またある人は易きに流れた添加物塗れの飲料を滴らせる……

 

ただ、

「あんまり絞られたくないなぁ〜」

と、易きに流れるアタシは、野菜や果物の栄養になることもなく、大海の一滴になってしまっているんでしょうねぇ……