お題をいただきました。
『クイズ』『クリック』『誤字脱字』
(さっきのブログのネタやないか!……というお叱りもあるかと思いますが……)
喜「こんにちは」
甚「おお、(新聞をがさがさと片付けながら)喜ィさんか。まあ、こっち上がり」
喜「甚平さん、気ィの悪いことしなはんなや」
甚「え? わしが何したて」
喜「今、あんた、なんぞ食うてたやろ」
甚「なんにも食べてへんで」
喜「いや、今、がさがさっと、食うてた弁当、紙に包んで隠しなはった」
甚「ああ、これか。(出しながら)これ、お前、弁当やない。新聞や」
喜「新聞? 新聞てなもん、甚平さん、読みなはんのか」
甚「そら、いろいろ書いたあるさかいな」
喜「へえ、まさか、阿弥陀池に強盗が入ったとか、西の辻の米屋に盗人が入ったとか、そんな話やおもへんやろな」
甚「そんな落語みたいな話やないで」
喜「ほな、何が書いてまんねん」
甚「そうやな…… うらない」
喜「なんでっか、わたいみたいなアホには、売ってくれまへんのか」
甚「違う違う。占いっちゅうのは、干支占いとか星占いとか、そういうやっちゃ」
喜「へえ、新聞に八卦が出てまんねんな。当たりまんのか」
喜「なんや、ええかげんなもんでんな。他に、何が書いてありますか」
甚「人生相談やな」
喜「人生相談って、わいみたいな、アホ、どないかなりまへんかっちゅう、相談でっか」
甚「まあ、お前のアホはなんぼ相談してもどうにもならん」
喜「ほな、その他の相談やったら、うまいこと当たりますか」
喜「なんや、占いと同じでんな。……他には何が書いてありますか」
甚「クイズもあるな」
喜「クイズですか。当たりますか」
甚「さあ、それも……」
甚「いやいや、クイズはものをよう知ってるかどうかや」
喜「ははあ、甚平さんみたいな、生き地獄でないとあきまへんねやな」
甚「そやから、生き地獄やない、言うてるやろ。それも言うなら、生き字引や」
喜「そうでしたそうでした。生き地獄生き地獄」
甚「そやから、地獄やない、言うてるやろ。ほんまに今時には珍しい、落語みたいな人じゃ」
喜「いやあ、そないにほめられると照れるな」
甚「誰もほめてへんで」
喜「けど、甚平はんほどの物知りは、世間にはそういてまへんな」
甚「いやいや、わしなんかより、テレビのクイズ番組に出てる人は、もっと物知りや」喜「へえ、ほな、わいもテレビのクイズ番組に出たら物知りになれますか」
甚「クイズ番組に出る言うても、簡単やないで」
喜「どないしたらよろし」
甚「まず、申し込まなあかん」
喜「テレビ局に行って、申し込み用紙をもうてきて、ほんで代書屋に書いてもらう」
甚「今時、そんな落語みたいなことで申し込みはでけへん。今は、パソコンの時代や」
喜「パソコンいうたら、あの……あのパソコンですか」
甚「他にどんなパソコンがあんねん。そのパソコンをクリックして、クイズ番組のホームページを開いて、申し込みフォームに必要事項を書いて送信したらええねん」
喜「やっぱり、代書屋に頼みます」
甚「まあ、難しかったら、代書屋でのうても、誰ぞに頼んでもええやろ。それでも、申し込みフォームを送信するときには、自分で確かめなあかんで。誤字脱字なんかもないようにせなあかんからな」
喜「え? 五時に脱腸ですか? そらつらい」
甚「どないしたら、そないに落語みたいに聞き間違えられんや。五時に脱腸やない。字が間違うてたり字が抜けてたりせんようにすることや」
喜「字ィ、間違うたら、どないなります」
甚「まあ、即、失格やな」
喜「やっぱりわいのようなアホは、クイズ番組には出られまへんねやな」
甚「まあ、けど、がっかりすることはない」
喜「なんでですか」
甚「喜ィさんやったら、落語番組に出られるさかい」
デンデン