似て非なる同類

昨日のTBSテレビの『サワコの朝』のゲストは、貴乃花親方ご夫婦でした。

ご夫婦の馴れ初めから貴乃花親方の現役時代のお話、さらには、親方として、女将さんとしてのご苦労や考え方など、お話されていました。

特に、横綱という頂点を極めた貴乃花親方のお話には、相撲道一筋で生きてこられた哲学がありました。

これは、相撲に限らず、何であれひたすらその道を探求した方々と共通する、人生哲学のようです。

 

それなら、あっちへフラフラこっちへフラフラと、あれに手を出し、これに首を突っ込みしながら転職を繰り返すような人には、そうした哲学が身に付かないのかというと、必ずしもそうではないようです。

そういう方とお話ししておりましても、その道一筋で生きてこられた方と変わらぬ考え方を教示されます。

 

宿命のようにその道で生きて来たとしても、紆余曲折、いくつかの道を何度もさまよったとしても、ともに同じ高みに行きつくのでだとしたら、どれほど迷ったとしても不安に思うことはありません。

 

ただ、それに気づくのは、やはり年齢を重ねてからだと思います。

 

昨日、そんなことを考えながら『サワコの朝』を見終えて外出した先で、

「いろんなことに手を出し、転職もしてきました……」

という方とお話しする機会がありました。

その方も貴乃花親方と同じような哲学をお持ちのようでしたが、ずいぶんお若く見えましたので、

「失礼ですが、おいくつですか?」

と尋ねましたら、

「そろそろ八百歳になりますわ。わっはっはっは……」

 

何のことはない。アタシらと同類でした。