ワンピース歌舞伎登場!

少年ジャンプ(集英社)に連載されている、尾田栄一郎さんの『ワンピース』が、歌舞伎の演目として公演されます。

 

いくら世界的な人気作品とはいえ、そんな少年漫画を、日本の古典芸能の演目にするなんて、とんでもない、と思われる方も少なくないと思いますが、さすがは、伝統芸能、だと思います。

 

アニメーション映画にもなり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションに『ワンピース』が取り入れられてはいるようですが、本格的な演劇として舞台に最初に載せたのが、明治以降に欧米から取り入れられた新劇ではなく、また現在人気の劇団、ミュージカル劇団、小劇場、大衆演劇などではなく、

〈歌舞伎である〉

ということろに、まさに伝統芸の物凄さといったものを感じます。

 

落語や講談といった話芸でも、そうした歌舞伎に劣らず、創作落語、新作講談などが高座にかけられています。

富野喜幸さんの『機動戦士ガンダム』(日本サンライズ)を題材にした『ガンダム講談』も、何年か続けられていて、一部のコアなファンを獲得しているぐらいです。

 

さらに、落語のネタの中には、歌舞伎から取り入れたモノも多数ありますから、そのうち、『ワンピース落語』を得意とする落語家も出てくるかもしれません。

ただ、『ワンピース』といえば、仲間との絆や冒険が大きなテーマで、落語には向いていないように思われるかもしれませんが、実は、かなり上質の笑いもちりばめられています。

作者の尾田栄一郎さんは、ひょっとすると、こうしたお笑いを追求するために『ワンピース』をお描きになっているのではないかと、穿った見方をしてしまいたくなるほどです。

もちろん、そうした笑いが随所に仕掛けられているからこそ、感動のシーンでしぼられる読者の紅涙も倍加しているのではないかと思います。

 

え?

(そんなら、18日の《三題噺落語会》のお題の一つにしてやるから、お前が演じて、観客の紅涙を絞れって?)