香港カンフー映画の2大スター、ブルース・リーさんとジャッキー・チェンさんは、街頭でときどきカンフーの勝負を挑まれたそうです。
「そうだ」
「オレと勝負しろ!」
「わかった」
そう言って、ブルース・リーさんが両の拳を自分の胸の前で合わせて深く礼をすると、相手も両の拳を自分の胸の前で合わせて深く頭を下げ、その瞬間、ブルース・リーさんは下がった相手の頭をたたいて、
「オレの映画を観てないな……」
「あんた、カンフー映画スターのジャッキー・チェンだな。オレと勝負しろ!」
「ああ、もうそんなのいいから、早くあっちへ行って」
「これでもあんたの映画のファンだぞ。そんなに〝邪険〟にするな」
そう言う相手にジャッキー・チェンさんは右手を蛇の鎌首のように構えて、
「オレは〝蛇拳〟の使い手だ。オレの映画を観てないな……」
すみません。
ブルース・リーさんとジャッキー・チェンさんの映画をご存じない方にはまるでわからない、ちょっとマニアックな話になってしまいました。
これで、
「お題をいただきました。『映画』『礼』『邪険』とか『カンフー』『鎌首』『胸』とか称して、三題噺です〜」
てなことにならへんかいな〜なんて、何となく考えていました。
アタシの脳みそは、どうやら腐敗し始めているようです。
そんな冗談を笑いながら例の友人に話したところ、真顔で、
「キミの場合、今に始まったことじゃない。気がついてなかったのか?」