日本古典芸能鑑賞論

日本の古典芸能で、多くの方が好きな落語家として名前を挙げるのは、テレビやラジオでの露出が多い人のようです。

落語家というより芸能人です。

落語の腕前で言うと、メデイアの露出に関係なく、うまい噺家はいらっしゃいますが、テレビに出ていないからよく知らないという理由で、好きな落語として名前が挙げられることがありません。

 

落語に比べて講談の人気がないのは、全国ネットのテレビやラジオによく出る講談師が少ないせいです。

 

知っているか知っていないかというところが、人気の明暗を分けています。

 

能や狂言についても、

「よくわからない……」

という理由で、敬遠される方は少なくありません。

 

美術展に参りますと、解説を読んでわかることに重点を置かれる方が多く見られる中で、解説に関係なく、時間を忘れたかのようにその作品に集中される方がいらっしゃいます。

 

実は、能や狂言を観るときにも、そういう見方、つまり、わかるわからないという意識から離れて観るという姿勢が必要なのではないかと思います。

テレビやラジオに出ているから知っている、という発想から離れると、新しい何かが見えてくるかもしれません。

 

ええと……、他にネタがないというわけではないということで、よろしゅうございますか?

明日のネタを何にしようかな……って考えていますけど……