解説に新たな視点を……

多くの文庫本の巻末には〈解説〉が掲載されています。

そこに記述されている小説や作者に関して、読者の知らない知識やエピソード、読み方や解釈を記すのが〈解説〉の本分かと思いますが、それが作品や作者の称賛に導かれるのは必然と言えるかもしれません。

でも、そうなればこそ辛口の批評を展開する〈解説〉があってもいいのではないかと思います。

 

たとえば、

『身近にいる他者の意識と主人公の意識が入れ替わって視点が変わるという設定も陳腐で……これだけ手垢のついた手法を駆使できるのはやはりプロフェッショナルのなせる技であろう……』

とか、

『コンパニオンを案内させて手洗いに立った代議士は、それへ入る前に彼女の肩を抱き寄せて……といったところなど、本筋とは直接関係のない描写が多い。これは一見リアルな描写のようで実は原稿料を稼ぐための原稿枚数の水増しでしかないと思われるが、それもプロの作家の技量かもしれない……』

とか、これまでの〝解説〟の概念を覆すような視点を示すと、文庫本も面白くなるのではないかと思います。

 

だからといって、アタシのブログに辛口の〝解説〟を寄せるのは、やめてくださいね。