医学と戦国乱世のコラボレーション

最近になって山田風太郎さんの忍法帖シリーズを読みあさっています。

伊賀者や甲賀者、根来衆といった忍者がたくさん登場しますが、それぞれが得意としている技は、生身の人間の身体を切り離したりくっつけたり、あるいは身体の中を裏返したりと、忍術というよりは妖術ではないかと思います。

それにしても、よくもまあこんな発想ができるものだと感心しておりますが、考えてみると、山田風太郎さんは医大を出ておられるわけですから、そういった仕掛けはお手のものなのかもしれません。

 

かの手塚治虫さんも、『ブラックジャック』に代表されるように、医者としての知識を存分に発揮されていますが、実はその真骨頂は、手足や目鼻を奪われながら、それらを取り返す百鬼丸が登場する『どろろ』ではないかと思います。

 

医学と時代劇、特に戦国乱世は関わりがないように見えて、本当は非常に斬新な組み合わせになるということを示しているのではないかと思います。

それに気づいて、

「アタシも医学と歴史を学んでおけばよかった……」

と、思わずこぼしましたところ、例の友人が、

「キミの場合、他にも学んでおけばよかったってこと、きっといっぱいあるだろう」

「確かに……」

と、うなだれたアタシを、

「でも、学ぶのに年齢は関係ないんだよ」

彼はそう励ましてくれましたが、

『何でも年齢を口実に逃げてんじゃねえぞ!』

と言われているように感じてしまうのは、アタシの心が歪んでいるせいでしょうか……