今週、NHK大阪局の『桂文枝の落語新世紀』なる番組で、若手噺家4人がマクラ対決に挑むそうです。
相変わらずの落語ブームですが、プロでもアマチュアでもネタは何度もお稽古してその技量を披露してくれますが、それに比べてネタに入る前のマクラはかなりいい加減にやっていらっしゃるように見えます。
だから、マクラをしゃべっている声は小さく、ネタに入って「こんにちは」から声が大きくなるというプロも見かけます。
落語ファンを任じる観客にしてみれば、そんな面白くないマクラより早くネタを聞かせろ〜、という姿勢になりますし、また、それがさらにとマクラの存在を貶める結果になるのではないかと思っています。
桂ざこば師匠が、マクラの勉強会をやっているという話はもう何年も前に聞いたことがありますし、江戸落語の三遊亭円生師匠もマクラの本を出していらっしゃいますが、それらが世の中のマクラの地位をどれほど向上させているかについては疑問が残ります。
落語のネタの中には決まったマクラを持つ噺もありますが、いわばそれもそのネタの一部と考えられます。
プロであれアマチュアであれ、どうせなら、同じネタでも常に違うマクラを、さらにはネタ以上に笑わせてくれてマクラを披露するようになると、《マクラの〜》と言われて、世に持て囃される噺家になるのではないかと思います。
てなことを、新年明けましておめでたい例の友人に話しましたことろ、
「まあ、三題噺をやるとのたまうキミの場合、マクラも当然そうならなきゃね〜 ヒック……」