期間限定・話の種に《「つる」と「えびっさん」》

「商売繁盛でササ持ってこい!」

今日と明日、9日10日はえびっさんの縁日です。

 

「ちょっともの尋ねますが、えびっさんの縁日はいつでしたかいな?」

「確か、5日と6日です」

「そうでっか。おおきに」

と別れましたが、教えたほうが間違いに気づいて相手に呼びかけようとしますが、名前がわかりません。

「おーい! 5日6日!」

「なのか用か(7日8日)?」

「9日10日」

 

てな古い小噺を毎年やっておりますが、これは金比羅山でも通用するそうです。

 

でも、

「3年連続で聞いた!」

なんて方もおられまして、そういうお人には落語の『つる』を応用して差し上げるというのはどないでっしゃろ。

 

「ツルというのは昔は首長鳥というた。それが、ツルになったのは、遥か遠くから首長鳥の雄がツーと飛んできて木の枝にポイッと留った。あとから雌が飛んできてルッと留った。それでツルになったんや」

これを聞いてあほがよそで話します。

「ツルというのは昔は首長鳥というた。それが、ツルになったのは、遥か遠くから首長鳥の雄がツーと飛んできて木の枝に、ルっと留った。あとから雌が……」

 

「ちょっともの尋ねますが、えびっさんの縁日はいつでしたかいな?」

「確か、9日と10日ですわ」

「そうでっか。おおきに」

と別れましたが、教えたほうが間違いに気づいて相手に呼びかけようとしますが、名前がわかりません。

 

「おーい、9日10日」

「なのか用か(7日8日)?」

「いつか(5日)……」

「いつか…… 何や?」

「いや、いつか……」

「ははあ、わかった。お前、ろくでなしやな」

                                  デンデン