水商売に携わっていたとおっしゃる女性によりますと、自分が社長だなんだと大きなことを言って、誰かを馬鹿にする人ほど、信用できないそうです。
反対に、そんなことなどおくびにも出さず、率先して馬鹿なことができる方ほど、実際には社会的な地位が高く、またそういうお店のスタッフにも人気があるそうです。
ときどき、そういう水商売のプロフェッショナルとも言うべき方の人間の見分け方を記した書籍を見かけますが、それをぱらぱらと見ておりますと、おそらく人気のビジネス書に記載されていることと、そんなに変わらいのではないかと思います。
たとえば、自分を大きく見せる人は信用できないというのは、誰に対しても謙虚であれ、ということです。
たとえば、他者を馬鹿にして笑いをとろうとする人よりも自ら率先して馬鹿になれる人ほど人気が高いというのは、水商売の女性だけの見方ではありません。
でも、フリーランサーの私は、社長だなんて大きなことは言いませんし、周囲を笑わそうと馬鹿なことを率先して口にしますが、どういうわけか信用も人気もありません。
「キミの場合、フリーランサーと言うところからして格好をつけているわけで、どれだけ馬鹿になっているといっても、笑いが取れなければアイデンティティーが失われることになるんだろ」
例の友人のおかげで、水商売のプロフェッショナルが指摘し、ビジネス書に記載されていることだとわかっていてもやってしまっている人は、きっと自分のアイデンティティーに関わっているんだろうな、と我が身をもって思い知りました……