子供映画には、あとからテレビで放送される作品とそうでないものがあります。
『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』の映画などは、テレビでも放送されますが、映画の『仮面ライダーシリーズ』をテレビで見ることはありません。
これはどうしてかというという理由については、薄々わかっていましたが、今回、『仮面ライダー1号』を観て、確かめることができました。
そもそも、『仮面ライダー1号』を観に行く気になったのは、予告編で3体の改造人間、〝毒トカゲ〟〝シオマネキング〟〝ガニコウモル〟の姿があったからです。
骨をデザインした戦闘員の衣装はいくらでも作れますし、近年はコマーシャルなどにも登場していますが、改造人間の着ぐるみの多くは、保管場所の都合で処分されているという話を聞いていましたので、生き残っている彼らの勇姿を観られると思い、足を運びました。
ですから、たとえば2号ライダーの佐々木剛さんやV3の宮内洋さんとともに、地獄大使以外の幹部、ゾル大佐の〝オオカミ男〟、死神博士の〝イカデビル〟、その他、〝ジャガーマン〟〝ギリザメス〟〝ハエトリバチ〟〝ハサミジャガー〟〝ピッケルシャーク〟などが登場するなら、特に作品の善し悪し、巧拙にこだわることなく、観に行きます。
映画館の受付カウンターで、
「お誕生月で『仮面ライダー1号』」
と告げると、受付の若い女性は笑顔のまま、アタシの傍に子供がいないことを確認して、
「お一人ですか?」
「はい」
と答えて料金を払おうとすると、
「お誕生日を確認できるものを……」
苦難を乗り越える大切さを、藤岡弘さんの『仮面ライダー1号』は教えてくれます。
トーッ!