〝博打〟か〝酒〟か〝女〟か……とにかく、ふれふれ?

身を持ち崩す元になるのは、昔から〝博打〟と〝酒〟と〝女〟と相場が決まっています。

 

違法な賭け事が大相撲やプロ野球でさんざん話題になっていたのに、アマチュア競技のトップ選手は、他人事、対岸の火事のように考えていたのでしょうか。

 

酒で仕事をしくじった、なんて話が報道されることはありませんが、報道されないくらい、世間にはよくあることだと思います。

 

昔、小指を立てて、

「これで会社をクビになりました……」

てなコマーシャルが一世を風靡したときには、

「ええ、アタシにもちょいとこれがおりまして……」

なんて台詞を、と思いましてあれこれ試みましたが、そんな努力は必要ありませんでした。それに、そうした背徳的な星の元に生まれついていても人生をしくじらない人と、アタシのようなそうでないのにしくじるような人種に、どうやら神様はお分けになっていらっしゃるようです。

 

女性にもてないばかりか、アタシは酒も飲めないし、博打もしませんから、男としてこれほど面白くない人間は他にいないのではないかと自負しております。

だったら、〝酒〟や〝女〟や〝博打〟で人生を棒に振るようなことなどないはずなんですが、人生を棒に振ってしまったような感触がどうにも払拭できないのは、いったいなぜでしょう……

 

ただ、どれだけ棒に振っても、自分の人生に変わりはありません。

 

それで、先日、妻子ある男性のために自分の人生を棒に振ってしまった、と嘆いていらっしゃた女性に、

「フレフレ人生、棒に振れ、棒に振っても人生だ! アタシが代わりにアータのこれに……」

と、親指を立てて口説きかけたところ、傍らにいた、その女性の友人が彼女の耳元で、

「ふれふれ!」