荒俣宏先生著作『本朝幻想文学縁起〈コンパクト版〉』(集英社文庫)50円也!

19994年に出版された、定価700円の、荒俣宏先生著作『本朝幻想文学縁起〈コンパクト版〉』(集英社文庫)を、先ほど、まだ古書店の残り香をかろうじて漂わせる古本屋で購入いたしました。

なんと、50円!

資料的価値のあるこの本が、いかに古本屋とは言えわずか50円で売られていたのは、実は本文中に赤線が多数引かれていたからですが、400ページを超える本の4分の1にも満たないところまでしか、線はありませんでした。

 

おそらく日本幻想文学の勉強を始めようと思いついて購入したのだろうと思いますが、中高生が教科書やプリントに線を引いて勉強した気になっているのと変わらない程度だったのでしょう。

 

たとえば、辞書の同じ項目に何本か線が引かれてあれば、調べたことを一度ならず忘れてて引き直したことがうかがえます。

前にも一度引いたにもかかわらず、またしても引いてしまった項目にさらに別に線を引くことによって、記憶に深く刻み込むことができます。

 

でも、学校の教科書やプリントの重要そうなところに赤線を一本線を引いても、それだけで内容が頭に入るかというと、まず、そんなことはありません。

なぜ、そう断言できるかと申しますと、かく言うアタクシめがすでに経験しているからでありまして、そんな形ばかりの線引き勉強よりも、殴り書きでいいから自分なりに要約したり整理したりする方が、あるいはしっかりと書き写す方が、そしてそれを何度も読み返すことによって、はるかに、いえ、圧倒的に自分の骨肉になります。(もちろん、アタシのような鈍才と頭の構造が違う人は別ですが……)

 

まあ、それでもこんな貴重な本を安価に手に入れられたばかりか、こうしてブログのネタにもなったわけですから、勉強した気になって赤線を引いたうえにこれを古本屋に払い下げてくれた、見ず知らずの御仁には深く感謝するばかりです。

 

あとは、この本をアタシがしっかり読み通せるかどうかというところが、問題の焦点になりますが……