あきらめる労力

以前、勤めておりました会社は、中途採用者ばかりで、その会社の先輩で、警察官に採用されながら警察学校に通っているときに退職したという方がいらっしゃいました。

どうしてお辞めになったのかと伺いましたところ、

「合わなかった」

ということでしたが、その話を伺いましたときには、あまり納得がいきませんでした。

でも、最近になって警察官として向いていそうな人間を選別する役目も警察学校が担っているといことを知って、当時の先輩の言葉に納得がいきました。

 

とはいえ、警察官を志してそのための勉強もしてせっかく採用されたのに、まだ実際に警察官としての仕事に携わる前にその仕事を諦めなければならなかった先輩の心情はどうだったのでしょう。

 

「あきらめろ」

と誰かに言われても、

「簡単にあきらめるな」

「あきらめなければ道は開ける」

「あきらめた瞬間に可能性はなくなる」

などとよく言われますが、

「あきらめないと次に進めない」

「あきらめないと新たな道は開けない」

のではないかとも思います。

 

と言って、アタシも最初に就職した会社を1か月で辞めたからこそ、警察官をあきらめた先輩と同じ中途採用の会社に入れたわけなんですが、じゃあ、それで新たな道が開けたのかと問われると、まあ、困ってしまうような次第で、ただそれでも最初の志を中途半端にあきらめきれないまま、いえ、今さらあきらめてもどうにもならないことがわかっておりますから、こんな具合になんとか生きているようなわけでして……

(え? 結局、あきらめろと言いたいのか、あきらめるなと言いたいのか……)

って、迫られましても、アアタ、失恋したからと言って、すぐにあきらめられたら、苦労はありませんよね……