名作を迷作に……

いわゆる名作の後日談を書きたくなったり、書き換えたりしたくなります。

 

高校1年生の教科書に必ず掲載されている芥川龍之介先生の『羅生門』の後日談を生徒に書かせる先生も、実際にいらっしゃるそうです。

 

そういうことなら、たとえば、森鴎外先生の『舞姫』の後日談なんかもこしらえて、エリスを捨てて帰ってきた豊太郎君は、結局、女にうつつをぬかしてやっぱり職を失ってしまうとか、友達のように見えた相沢君は実は冷酷な利己主義だったとか……

 

たてば、芥川龍之介先生の『蜘蛛の糸』で、カンダタはともに地獄上がってきた亡者どもと一緒になって極楽を占領し、気まぐれに蜘蛛の糸を垂らしたお釈迦様が真っ青になっているなんてことになって……

 

中島敦先生の『山月記』では人間に変身して、

「どうしてオレは人間なんかになってしまったんだ」

と虎が苦悩する……

 

たとえば、太宰治先生の『走れメロス』では、無理矢理人質にされたセリヌンティウスの立場で書き直すと、自分勝手なメロスが鮮明に表れて……

 

小説よりも、いっそ落語に仕立てた方が面白くなりそうですが、三題噺の元ネタにしてもいいかな、なんて思ってもいます。

いずれにしても罰当たり迷作になることだけは間違いありません。