「明日は母の日よ。わかっているわね」
と子供に催促する母親は、多分いないだろうと思いますが、
「明日は父の日だ。わかっているだろうな」
という父親は、いそうです。
少なくとも、『父の日』に何もなかったことを密かに怒り、あるいは哀しむ父親は存在するのではないかと思います。
『母の日』が始まったのが、1870年だそうです。
『父の日』が始まったのが、1909年だそうです。
「母の愛は海よりも深く、父の愛は山より高い」
と言われますが、海の深さより高い山はありません。
どうがんばったって、父親は母親に勝てません。
寝物語に昔話を聞かせながら、逆に子供に蘊蓄を語られてしまう落語の『桃太郎』でも、天神さんにお参りに連れて行った子供に手を焼かされる落語『初天神』でも、笑われるのは父親です。
子供たちは、『父の日』に是非、お父さんに感謝してあげてください。
お母さんに敵うはずなどないのに、それでも『父の日』に自分の威厳を確かめたいと、こっそり願っているお父さんのために……