留五郎の依頼

早朝であった。

メールが来た。

差出人は、留五郎である。

このブログの愛読者であることは、知られている。

国立文楽劇場で『金壺親父恋達引』なる、井上ひさしの芝居を見たという。

はて、何のことかと不審に思って読んでいくと、どうやら井上ひさし流の文章を所望しているらしい。谷川俊太郎でもいいとあるから、司馬遼太郎で書いてみることにした。

 

そう言えば、井上流でしばらく遊んでいない。

帰る蛙の買えるLサイズ。

ボーイズクイズの合図に這いずる坊主のボイスレコーダー

レーダージェンンダーシュレッダーダーツだあっとキカイダー

 

「腕が落ちたな」

留五郎は、笑うばかりであった。

 

井上ひさしの言語遊戯はつとに世間の知るところではあるが、白状すると、自分はほとんど触れたことがない。

谷川俊太郎の詩にも、それほどの興味はなかった。

 

強いて言えば、司馬遼太郎を愛読したぐらいであるから、今日のところはこれぐらいで勘弁してもらいたい。

 

留五郎さん、来月7日(日)の《三題噺お会》でお題を決めるときに、

「じゃあ、大橋巨泉風でやってほしい……」

とか、

「久しぶりに高倉健さんを見たい……」

とか、そんな飛び道具のような注文はしないでくださいね。