「記録より、僕が何かすることで他人が喜んでくれることが何より大事だと認識した」
日頃、クールなイチロー選手が、大リーグ3000安打を達成したときのコメントです。
日本のプロ野球でも、誰かが記録を達成したときには、対戦チームの選手までベンチから出てきて祝福します。
オリンピックの水泳競技でも、優勝した選手を、泳ぎ終わった選手が祝福しています。
一方で、プロ野球やオリンピックに限らず、
「いい気になるな」
「油断するとすぐに落ちるぞ」
「もっと上を目指せ」
「上には上がいるんだぞ」
てな警告を、頼んでもいないのに発してくれる人たちがいます。
こういう人たちはきっと嫉妬しているんだろうと思っていますが、イチロー選手のコメントを読み、オリンピックで勝者を祝福する選手を見ながら、
「幸福なのはどっちだろう……」
と、ふと、思ってしまいました。
もし、祝福されることに幸せを感じるなら、誰かを祝福することが幸せに通じるだろうし、誰かに嫉妬されることに快感を覚えるなら、警告というオブラートに包んだ嫉妬を投げつければいいだろうと思います。
でも、嫉妬によって幸せを感じている人に、
「キミは幸せなんだね、おめでとう!」
って、祝福すると、その人はどうするのか、ちょいと興味がありますが、残念ながら、アタシのまわりにはそんな嫉妬をしているような方は見当たりませんので、試すことができません。
そんなことを例の友人に話しましたところ、
「キミの場合、誰かに嫉妬されるほどの人間ではないからね」
なんて言いましたから、
「なるほど、ということは、ボクは祝福……」
と言いかけると、
「もちろん、祝福されるほどのこともキミは何も成し遂げていないしね」