瓶を扱う店の前で遊んでいるところを注意されて、自分は客だと称して大きな瓶を買うと言った子供に、店の者が売ってやるが自分で持って行け、と条件をつけたところ、そのままでは手に余る瓶を石でを割ってその欠片を、何度も行き来して子供は運び出しました。
悪知恵を働かせたその子供は、のちに盗人になっていた……、というお話です。
久能山東照宮には、中国の瓶割り小僧の逸話があります。
高価な瓶の中に落ちた子供を、とっさにその瓶を割って助けたというお話です。
面白いのは、善悪いずれが目的であっても、瓶を割るという発想とそれを即座にやってのける実行力が、双方にあるところかと思います。
困難を解決する方法として、壊すという選択肢を考えつく方は、それほど多くはないかと思います。
また、思いついたとしても、躊躇することなく行動に移せるという方も、珍しいのではないかと思います。
先日、人間関係に悩む方がいらっしゃいましたので、この瓶割り小僧の話もいたしました上で、
「人間関係を壊してもいいから、その人に正面からぶつかってみてはどうか……」
とアドバイスいたしましたところ、
「キミの場合、確か、たくさんの人間関係を壊したあげく、今、その状態になっているんだったよね……」