久しぶりにお題をいただきました。
『笛』『カクテル』『組織』
男・やあ、久しぶり。待った?
女・私も、たった今、来たところよ。
バ・どうぞ。
男・その割には〈カクテル〉が出てくるのが早いな。
女・だって、私の好みをよく知っているお店だもん。
男・なるほど、いつも同じ席に座っていつも同じものを注文する常連さんというわけか。
女・そんなことないわよ。その日の気分で違うものを飲むときもあるわよ。
男・へえ、じゃあ、今日はいつもと違うカクテルを頼んだのかい。
女・いいえ、最初に挨拶しただけで、彼女が…… バーテンさんが察して、今日なんかは、ブラッディマリーを出してくれたのよ。
男・それはすごいな。いや、実は、もっと女性の力を活用して〈組織〉の改革を行っていくために、うちでも女性の管理職を増やす制度を導入したんだけど、これがなかなかうまくいかなくてな。
女・〈笛〉吹けど踊らずってところかしら。
男・そうなんだよ。それで君にちょっと話を聞いてもらおうと思って連絡したんだ。
女・まあ、そんなことだと思ったから、このお店にしたのよ。
男・え? このお店って、女性がバーテンダーをやってるってだけじゃないの?
女・ほら、他のお客さんは、みんな女性でしょ。
男・ああ、ほんとだ。それだけ女性のハートをつかむ戦略がこの店にはあるということか……
女・戦略なんて、ないみたいよ。ねえ、バーテンさん。
バ・ええ。最近は女性の力を活用しようとなさる会社が増えたようで、それでうちも繁盛しています。
(デンデン)
男・ええ! そうなのか……
女・そうよ。制度より先に、女心を理解するべきね。
男・なるほど。おれたちは女心がわかっていないということか。
女・そうよ。わかってくれていたら、あなたとも別れなかったかもね。
(デンデン)
なんて三題噺を創ってしまいましたが、だからといって乙女心をアタクシが分かっているというわけではありません。
デンデン