たとえば、社員が生き生きと働いて業績の好調な会社と、そうではない自分の会社を比べて、
「社長があんなんだから、うちはこんなことになったんだ……」
と直接批判するのではなく、
《民は君主の善悪に感化されて、どちらにでもなりうること》
という意味の四字熟語を使って、
「会社というのは、『水随方円』ということですね」
なんて言いますと、批判も柔らかくなります。
たとえば、清廉潔白で頑固な人を、
「正論ばかり吐いているから、あの人は疎まれているんだよな。もっと、融通を利かせればいいのに……」
と、これも直接批判するのではなく、
《人から親しくされないことのたとえ》
となる言葉を使って、
「あの人の場合、『水清ければ魚無し』ということですね」
なんて申しますと、角が立たなくていいかもしれません。
たとえば、同じミスを繰り返す人を、
「あいつには、学習能力がない」
と直接非難するよりも、
《学問、見聞が記憶に残らないたとえ》
を意味する言葉を用いて、
「彼の場合、『水に描くが如し』だな」
なんて言い方をするほうが、粋ではないかと思います。
ちなみに、
『水に描くが如し』
には、
《むだな骨折り》
という意味もありますから、
「キミのブログの場合、『水に描くが如し』ブログという表現がぴったりだな」
てな例の友人みたいな使い方をされると、アタシとしては辛いところでございまして……