君子の境地に至る法

『君子に九思有り』

という孔子の言葉があります。

 

君子(教養人)には、

一・見るときには見逃すまいと思う。

二・聞くときには聞き漏らすまいと思う。

三・温和な表情でありたいと思う。

四・態度はうやうやしくありたいと思う。

五・言葉には誠意を込めたいと思う。

六・仕事は慎重に運びたいと思う。

七・疑問は問いただしたいと思う。

八・腹が立つと後難を思う。

九・利益にはそれが正しい利益かどうか思う。

という、九つの思いがあるそうです。

 

別に、孔子には、

『君子に三戒あり』

という言葉があります。

 

君子(教養人)には、

一・青年時代には男女の交際を慎む。

二・壮年時代には争いを慎む。

三・老年時代には強欲を慎む。

という戒めがあるそうです。 

 

孟子には、

『君子に三楽有り』

という言葉があります。

 

一・父母が健全で兄弟が無事なこと。

二・天地に対し、人に対して恥じることがないこと。

三・天下の英才を集めて教育すること。

が、君子の楽しみだそうです。

 

全部こなそうなんて思わずに、

「この中から、一つでも二つでも意識していればいいか……」

と思うと、

『君子は憂えず……』

ぐらいの境地には至れるのではないかと思います。