洟垂れ小僧の姑息な小技

『四十五十は洟垂れ小僧。六十七十働き盛り 九十になって迎えがきたら、百まで待てと追い返せ』

という言葉があります。

いつか使ってみたいなと思っておりましたところ、先日、その機会に恵まれました。

  

職場で三十代のスタッフが、初めて与えられた仕事に手を焼いていたようでしたので、声をかけましたら、

「いや、未熟者で……」

と頭をかきながら答えましたから、ここぞとばかりに、

「初めての仕事で手を焼くのは当たり前。ましてやその年で未熟者なんて、言うまでもない。だいたい、『四十五十は洟垂れ小僧。六十七十働き盛り 九十になって迎えがきたら、百まで待てと追い返せ』と言うぐらいやから、わしら、まだまだ洟垂れ小僧や」

と言って、傍らでこれを聞いておられた女性に、

「Yさんは、まだ赤ちゃんというところですよね」

と話を振りますと、

「お気遣い、ありがとうございます」

と、お礼を言われてしまいました。

でも、仕事が捗らずにいらいらしていた彼は、

「じゃあ、ボクは洟垂れ小僧に説教されたということですね」

 

洟垂れ小僧のアタクシは、またしても、人間関係を一つ、壊してしまいました……