アリストテレスの『人間は社会的な動物である』による考察

古代ギリシャの哲学者、アリストテレスの、

『人間は社会的動物である』

という言葉を改めて持ち出すまでもなく、人間が生きていくためには社会、もっと言うなら、自分が関わる集団の中のメンバーと、うまく関わっていけるか否かが問題になります。

ただ、そうして生きなければならない宿命にありながら、おそらくすべての人の悩みは、そこに集約することができるのではないかと思います。

 

先日、職務上の注意を何度か受けた人が、何が気に入らなかったのか、その日の仕事もせずに辞意を宣告して帰宅してしまった、というお話を耳にしました。

 

仕事のやり方について先輩上司と口論になって辞めた人の話を耳にしたこともあります。

 

「まったく、迷惑なことをしてくれる。くだらないプライドにこだわるからいけないんだ」

と、社会的な動物として、うまくバランスを保っていらっしゃる方の言い分はもっともでございますが、実はそういうことをしてしまうたびに、

「社会とうまくやっていきたいんだけど、うまくやっていけない自分は、人間としてどこかおかしいんじゃないか……」

 

と傷ついているのは、本人でございましょう。

社会的動物としては、やや欠けるところはありましても、自分の心が傷ついてしまうのは、やはり人間の証左だと思います。

 

この話を例の友人にいたしましたところ、珍しく絶賛してくれました。

「キミの今日の話には説得力があるね。すばらしい! さすが経験者!」

社会的動物として、ほめられることはと〜っても大切なことなんです…… よね……