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『私の愛した小説』2

遠藤周作先生の愛された小説は、フランソワ・モーリャック氏の『テレーズ・デスケルー』です。

『私の愛した小説』の巻末に、遠藤周作先生自らが翻訳された『テレーズ・デスケルー』も掲載れています。

この『テレーズ・デスケルー』をテキストに、遠藤周作先生は小説の創作を著述されていますが、おそらく、アタクシなんぞが若いころに読んでいても、

「なんだこりゃ…… こんなわけのわからん不条理な女なんぞ、世の中に存在するのか……」

てな感想しか持ち得なかったのではないかと思います。

でも、この年になって、しかも遠藤周作先生のご高説をじっくりと拝読して小説を読みますと、これまでの人生で関わってきた人の誰彼を思い出しては、

「なるほど、そうなのか……」

と、妙に合点がいくのもまた不思議でございます。

もちろん、それもも独り合点かもしれませんが、同様に自分の中にも存在する主人公、テレーズ・デスケルーも、意識することができました。

 

また、同時に、このブログですでに申し述べております、中島敦先生の『山月記』の主人公、李徴のように虎になりたいと願うところと、芥川龍之介先生の〈漠然とした不安〉も他人事ではないと感じておりますところと、共通するものではないかとも思いました。

 

そう考えて参りますと、人間の不条理というものは、〈無意識の領域〉に元から溜まっていたものではないのか、というところに至るのではないかと思いますが、だからと言って、今回に限って拙ブログを不条理なオチにすることもできず困っております……

                                   デンデン

(困った時は、やっぱりデンデンか!)