三題噺・大棟梁選メーキング

『秋祭り』『大統領選』『風邪ひき』

セオリー通り、最初にオチから考えまして、まず、『風邪ひき』の〝熱〟から『大統領選』の〝熱〟が高まるを思いましたが、そこからドラマが展開しません。

そこで、次に『秋祭り』の神輿から〝担ぐ〟〝担がれる〟を考えますと、日本の選挙では〝担がれ〟て立候補するところから、『大統領選』につながり、さらに、騙されるというドラマを展開することができます。

それで、人のいい甚兵衛さんが金をだまし取られることにしましたが、身近な人間がだましに来るというのでは説得力がありませんから、【算段の平兵衛】のキャラクターを拝借して、しかも十年ぶりに心を入れ替えて訪れることにしました。

訪れる理由としては、最後に金をだまし取ることですが、その訪問の口実として、『秋祭り』で年甲斐もなく神輿を〝担い〟で『風邪ひき』となった甚兵衛さんへのお見舞いとし、そのついでのように語った世間話の『大統領選』を、大工の大棟梁選につなげて金を巻き上げる話にしました。

最後に、〝担がれ〟たことを甚兵衛さんがどう知るか、という問題が残りましたが、これを、直後に訪れた清八に語らせ、オチに持っていくことにしました。

 

ちなみに、トランプのカードを切るネタは、かかし師が楽屋で授けてくれました。

そのかかし師が、アタシの後、『はてなの茶碗』で落語会を締めてくれました。

 

ありがとうございました。