季語・『忌日』

今日、出勤すると、

「今日はポッキーの日ですね」

と話題を振られ、昼休みには、

「売店で勧められて……」

と、ポッキーを買ってこられた方がいらっしゃいました。

どうやら、ポッキーの日が市民権を得つつあるようです。

 

そのうち、『ポッキーの日』が、季語になる日もあるかもしれません。

 

今日は、明治から昭和にかけて活躍した俳人、臼田亜浪師の忌日で、『亜浪忌』は、冬の季語になっています。

《死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり》

《蝙蝠や町の夕べは人くさく》

《人形の観念の眼や菊白し》

など、アタシには面白い俳句を残されています。

 

この『亜浪忌』の他にも、季語になっている、歌人俳人文人などの忌日は、1月の長塚節師の『節忌』から始まって、12月の南方熊楠の『熊楠忌』まで、90日ほどあります。

さらに、古くは万葉歌人の忌日から、昭和の文人の忌日まで、どうやら増えているようです。

ですから、百年後には、1年365日、誰かの忌日が季語になっているかもしれません。

同時に、『バレンタイン』『クリスマス』など、本来の意味合いとは異なる日本式のイベントも季語になっていますから、『ポッキーの日』やら『サンドイッチの日』やら『ゴジラの誕生日』やら、365日、季語で一杯になる日も遠くないかもしれません。

 

ただ、俳句本来の季節感が、それで表現できるでしょうか……

 

などと問題提起しながら、自分の忌日が季語になる……

(ゼッタイに、ゼッタイに、ゼッタイに、な〜い!!!)