昨夜、テイジンホールで開かれました、講談師、旭堂南鱗師の《講談師生活四十年・講談の夕べ》に参りました。
『寛政力士伝・雷電の初土俵』『善悪二筋道』の二席からは、演じられた南鱗師のお人柄が滲み出ていたように思いました。
その南鱗師のお客様も、そんなお人柄のよい方のように感じられました。
ゲストとして東京からお越しの神田陽子師が口演された『炎の歌人・与謝野晶子の生涯』は、伝楽亭でも拝見しておりましたが、伝楽亭で間近で見るよりも迫力があったのは、場所によって自在に演じられる陽子師の、プロたるところかと思いました。
旭堂南海師も、いつもに変わらぬあの風貌と軽妙な語り口で『難波戦記・長宗我部の勇戦』を演じらておられました。
南鱗師の女性のお弟子さん、鱗林師の講談も初めて拝見することができて、なかなかよい会でした。
「講釈場 いらぬ男の 捨てどころ」
と講談師が自虐的に口される言葉もそろそろ古くなっているようで、陽子師や鱗林師といった演者だけでなく、お客様の中にも、若い女性の姿も見受けられました。
いたぬ男の捨てどころに通っておりましたアタクシにも、そろそろチャンスが……
(ない!)