芥川龍之介先生の、
『蛙』
というタイトルの短編小説は、世界は自分たちのためにあるということを熱弁している小さな池の中の蛙が、密かに近づいた蛇に食べられるという作品ですが、これは、
〈内容のない文章や議論を嘲って言う言葉〉
である、
《蛙鳴蝉噪(あめいせいそう)》
という四字熟語がモチーフになっているのではないかと推察しております。
アンルイスさんの『六本木心中』(作詞・湯川れい子さん 作曲・NOBODY)の、
「長いまつ毛がひわいねあなた〜🎶」
という歌詞を、物凄いと思いながら最近、カラオケで歌っていますが、こんな感覚はやはり女性独特ではないかと思いながら、これをモチーフに、
「しばし見る長いまつ毛や天の川」
なんて下手な俳句をひねってしまいました。
さすがに、“ひわい”てな言葉を俳句で使うほどの技量も度量もアタクシにはありませんが、こうして考えますと、四字熟語でも歌詞でもモチーフにして小説や俳句、その他、文芸作品をいろいろこしらえれるのではないかと思います。
これを、また例によって例の友人に話しましたところ、
「キミの場合、どうして《蛙鳴蝉噪》という四字熟語でも芥川龍之介先生の『蛙』でもなく、〈卑猥な長いまつ毛〉をモチーフになるんや……」