本日は、赤穂浪士が吉良邸に討ち入り、主君、浅野内匠頭の無念を晴らした日です。
例年、12月になりますと、この討ち入りが講談師の飯の種になるばかりか、世間の話題となり、また、地域の観光、振興に一役買っておりますことは、皆様、よく御存知のことかと思います。
ただ、どういうわけか、今年、NHKが土曜日の時代劇やら歴史番組やらで取り上げておりますことが解せませんが、それならそれで、吉良方で奮戦した上杉家の家臣、剣客小林平八郎殿にスポットを当ててみてもらいたちと思っておりますのは、例によってアタクシだけでございましょうか……
『機動戦士ガンダム』では、とっくの昔から明らかに敵役であるはずのシャー氏にスポットライトが当てられており、『人造人間キカイダー01』でも、ハカイダー様の映画が製作されているほどです。
『仮面ライダー』では、初期のゾル大佐や死神博士、地獄大使といった大御所が、以降の仮面ライダーの幹部のモデルにもなっております。
こう考えてまいりますと、小林平八郎殿の扱いはあまりに軽い、いえ、理不尽ではないか、と言ってもよいのではないかと……
てなことを、これも例によって例の友人に熱く訴えましたところ、
「キミの場合、持ち出す例が漫画ばかりで説得力がないばかりか、命を懸けた赤穂浪士、並びに、小林平八郎殿をはじめとする実際にその場で命を落とされた吉良、上杉の方々に失礼であろう!」
と一喝されました……
討ち入りのあった今夜、伝楽亭の忘年会が、御贔屓の扇楽で開かれます。
飲み放題、歌い放題ということですので、たぶん、義士伝ゆかりの『俵星玄蕃』を、緑生師と豊蝶師が、それぞれ熱唱されることかと思います。
「なれば、小林平八郎殿の歌も是非……」
(まだ言うてるか!)